プライマリ・ケアとは何なのかイマイチわからないという方は、ぜひ読んでみてください。
インターネットで検索したり他の人に聞いてみても「わかったつもり」から抜け出せない・・・。むしろどんどんわからなくなってくる・・・。
それならば、プライマリ・ケアをシンプルに考えるために、「あなたの中」を検索してみることをオススメします。
もちろん、そう主張する根拠も含めてお伝えします。
あなたがプライマリ・ケアを一歩深く理解し、自分なりの意見を持てるようお手伝いします。
目次
- この記事をおすすめしたい人
- プライマリ・ケアがわかりにくいのには訳があります
- プライマリ・ケアをシンプルに考えてみましょう
- なぜ「自分の中」を検索する??
- 「自分の中」の検索方法と検索ワード
- プライマリ・ケア をシンプルに理解できたら
- <おまけ>もう一歩深く検索してみたい方へ
この記事をおすすめしたい人
プライマリ・ケアとは何なのかイマイチわからない、理解を深めたいという方に、この記事をおすすめします。
医療・ケアに関わったことのない人や、プライマリ・ケアについて色々調べたものの理解が追いついていないという人にこそ役立出てもらえるはずです。
さらに、あなたへのオススメ度を知るには次のフローチャートを参考にしてください。
- オススメ度★★★:プライマリ・ケアに関するあなたのモヤモヤを晴らすきっかけになるはずです。この記事で紹介する「検索方法」を早速実践してみてください。
- オススメ度★★:この記事では、プライマリ・ケアに関する知識自体はあまり扱っていません。あなたはどんな目的で、どのような知識を探していますか?もしもそこが曖昧でしたら、ここで紹介する「あなたの中」の情報検索を一度してみてもよいでしょう。より効果的に知識を得る手がかりになるはずです。
- オススメ度★:あなた自身は、この記事の内容を必要としていないかもしれません。ですが、プライマリ・ケアについて周りの方へ伝える・教える機会をお持ちしたら一読の価値はあるかもしれません。
プライマリ・ケアがわかりにくいのには訳があります
プライマリ・ケアとは簡単に言うと「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」です。*1
この記事を読まれている人は、何かのきっかけで「そもそもプライマリ・ケアって何だろう?」という疑問が浮かんだのでしょう。
とりあえずググってみたかもしれません。周りの頼れる人に聞いたかもしれません。
しかし、一向に「わかったつもり」から抜け出せない・・・。そんな感覚はないでしょうか。
これは、あなたの理解力が乏しいのでなく、
プライマリ・ケアがわかりにくいのには訳があるんです。
わかりにくい原因は主にこの2つでしょう。
- 日本の医療体制の事情
- プライマリ・ケアにまつわる様々な意見
日本の医療体制の事情
ここは、すごーく複雑な経緯や事情があるわけですが、簡潔にお話しますと・・・。
医療を受ける側は、わりと自由にかかる医療機関を選べて、
医療を提供する側もわりと自由に開業・経営できる
この体制のため、日本では具体的に統一したプライマリ・ケアの様式がありません。
なので、どれがプライマリ・ケアかわかりにくく、「そもそもそんなこと意識したこともない」という方も多いのです。
プライマリ・ケアにまつわる様々な意見
プライマリ・ケアについてググってみると、様々な立場の方の様々な意見があることがわかります。
上に書いた日本の医療の事情も相まって、「プライマリ・ケア」という言葉の中身が人によって微妙に違います。
さらに、プライマリ・ケアに関連した言葉もいくつもありますね・・・。
そこで対立した意見が飛び交っています・・・。
「プライマリ・ケアについて知りたい」と思い、調べれば調べるほどかえってわからなくなってしまいますね・・・。
せっかくプライマリ・ケアに興味を持ってくれたみなさんが、ここで後ずさりしてしまうのをどうにか食い止められないか・・・!
そこで、私は考えました。
ややこしい事情はいったん横に置いて、もっとシンプルにプライマリ・ケアを考えることにしましょう!
プライマリ・ケアをシンプルに考えてみましょう
プライマリ・ケアをわかりにくくしている諸事情は、この際いったん無視しましょう!
無視してしまうのは、少し乱暴ですかね。
でも、あなたの頭の中の混乱を止めることが最優先です。
無視しても大丈夫です。むしろ、無視した方がプライマリ・ケアの出発点を理解しやすいはずです。
先ほども書きましたが、
プライマリ・ケアとは簡単に言うと「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」です。
必要なのは、この最低限の枠組みだけです。
「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」
これをどうするか?
もちろん、Googleの検索バーに入れたら、また混乱へ逆戻りです。
誰かに尋ねるのもいったん中止しましょう。
Googleでもない、誰かでもない。
ではどこを検索するべきか。
その意外な検索場所というのが、あなたの中です。
・・・ハイ!ここでページを去ろうとした方!
せめて次の段落まででもお付き合いください!!
私がそう考える根拠を説明します。
なぜ「自分の中」を検索する??
プライマリ・ケアについて、なぜ「自分の中」を検索してみるべきなのか。
主に2つの根拠があります。
- あなたを含む、誰にでも寄り添うことがプライマリ・ケアの出発点だから
- 自分の考えをアウトプットする作業だから
プライマリ・ケアの出発点は、あなたも含むみんなに寄りそう事だから
もう一度書きますが、
「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」
これは、誰にとって「身近」で、誰のことについて「何でも相談にのってくれる」のでしょうか。
答えは、みんな です。
体調を崩した人、健康に不安を感じた人が誰でも相談できるところがプライマリ・ケアです。
もちろん、あなたも含まれます。
プライマリ・ケアの大事な要素として「人間中心性、患者中心性」があります。
あなたが今の時点で全く医療・医学の知識がなくとも、あなたの経験や考えを中心にプライマリ・ケアを考えてみることは有意義なのです。
1人の地域住民として考えてみましょう。
あなたやあなたの周りの人にとって身近なケアはどのようなものか、自分が病気をした時に安心できる医療はどのようなものか。
プライマリ・ケアの出発点は、あなたを含む、誰にでも寄り添うことです。
自分の考えをアウトプットする作業だから
インターネット検索や人から教わることは、情報を取り入れるインプットの作業です。
逆に、
自分の中を検索することは、自分の考えをまとめて形にするアウトプットの作業です。
情報にあふれる現代で、私たちは毎日情報の消化不良を起こしています。
プライマリ・ケアを理解しようと、たくさん調べて情報量が多くなってしまうと
考えをまとめるのは大変です。
そこでまずは、
プライマリ・ケアに関する知識を、いったん横に置いておきましょう。
「自分自身にとって身近で頼もしいケアとは何か」をシンプルに想像してみることで、
考えがまとまりやすくなります。
シンプルに考えて、プライマリ・ケアの理解に近づきましょう。
「自分の中」の検索方法と検索ワード
では、これからプライマリ・ケアをあなたの中を検索する手順を書きます。
検索方法:ゼロ秒思考
ここでは、考えをメモに書き出して思考力を高める “ゼロ秒思考” という方法を紹介します。*2
具体的な方法はこちら
- A4用紙を用意。横向きで使う
- 次の①、②を1回1分以内で行う
- ①:いちばん上に検索ワード(これから考えたい内容)を書く
- ②:検索ワードについて、感じたこと、思いついたこと、疑問点などを箇条書きする
- さらに考えを広げたい・深めたい場合は、新たなA4用紙で同じように書き出す
この方法は次のようなメリットがあります。
- 手早くできる
- 目に見える形で検索結果を出せる
- 誰でも何度も繰り返しできる
考えをまとめる方法はたくさんあります。すでにあなたが慣れ親しんでいる方法があればそちらで構いません。
どんな方法であれ、考えたことを形にする(アウトプットする)ことが大切です。
- 目標が決まった
- 次にやるべきことがわかった
- 新たな発見があった、ひらめいた などなど
考えを書き出すことは、最も手軽なアウトプット方法です。
検索ワード:とりあえず3つ
では、実際に検索をしてゆきましょう。
今回は3つの検索ワードを用意しました。
①と②を検索して、そこで考えたことを踏まえて③を検索してみましょう。
あなたが考えるプライマリ・ケア、すなわち、「身近で頼もしいケア」が見出せるはずです。
- 検索ワード①「身近な 相談相手」
あなたは身近な相談相手としてどんな人を望みますか。
あまり医療にかからない人は、医療以外のジャンルでイメージしてみましょう。
いきつけの美容師さん・床屋さん、学校の先生、親友など・・・
その人が親しみやすいところはどこでしょう?
逆に、相談相手に距離を感じるのはどのようなところでしょうか?
~今検索する人はここで、1分間書き出してみましょう~
- 検索ワード②「ちょっと調子悪い 受診」
風邪や軽いケガをした時にあなたが普段行く診療所・病院(いわゆる、「かかりつけ」)はありますか?
あなたはなぜその診療所・病院をかかりつけにしているのでしょうか?
その診療所・病院が「もっとこうだったら便利なのになぁ」と思うところを考えてみましょう
あなたが「かかりつけ」が決まっていない場合、どんな情報・どんな条件を頼りに受診する診療所・病院を決めますか?
~今検索する人はここで、1分間書き出してみましょう~
- 検索ワード③「身近な 頼もしい ケア」
検索①と②で書き出したことを見返してみましょう
そこに書かれたことで、あなたにとって「身近にあって、何でも相談にのってくれる総合的な医療」だと感じられる条件を見つけられますか
その条件をもとに「身近なケア」「頼もしいケア」とはどんなものか考えてみましょう
~今検索する人はここで、1分間書き出してみましょう~
ここでの検索はひとまず以上です。
勢いがのってきた人は、検索ワードを追加してさらに1枚、2枚・・・と続けるとより広く、深く考えられるでしょう。
いかがでしたか?
「あなた自身にとって身近で頼もしいケアとは何か」を想像してみることができましたか。
1人の地域住民であるあなたが望むケアこそがプライマリ・ケアの出発点です。
「プライマリ・ケアにちょっと興味あるかも」
「プライマリ・ケアに関わってみたい」
といった
あなたがプライマリ・ケアへ抱いていた気持ちの出発点にも、もしかしたら通ずるところがあったのではないでしょうか。
プライマリ・ケア をシンプルに理解できたら
プライマリ・ケアとは何なのかイマイチわからないならば、もっとシンプルに考えてみることを提案しました。
- プライマリ・ケアについて調べたことをいったん横に置いてみる
- 「あなた自身にとって身近で頼もしいケアとは何か」という考えをまとめる
この「あなた自身にとってのプライマリ・ケア」を土台にして、理解を深めていきましょう。
これからもアウトプットを心がけながら知識や他の視点を少しずつ加えて、
プライマリ・ケアを学んでいきましょう。
・・・・・・・
今回は、このブログの土台となるように、ボリューム多めの記事としました。
「ちょっと詳しく、ぱっと身につく・・・」のコンセプトにいきなり反するものになってしまいましたがお許しください。
これからはちょっとぱっとプライマリ・ケアを親しめる記事を多めでお届けしてゆく予定です。
どうぞよろしくお願いします。
<おまけ>もう一歩深く検索してみたい方へ
次のページには理解を深める次のステップを少しだけ紹介します。
まだ、余力がある方はこの先へ進んでください。
この「あなた自身にとってのプライマリ・ケア」を土台にして、理解を深めてゆく次のステップを少しだけ紹介します。
視点を変える、視野を広げて検索してみる
- 今回は「今のあなた」の視点でプライマリ・ケアについて考えました。
- では、10年後のあなたや、もっと年老いたあなたを想定するとどうでしょうか。
- あなたの家族や友人、さらには、あなたと全く立場の違う人は、どんなプライマリ・ケアを望むでしょうか。
- それら全ての人に望まれる「身近で頼もしいケア」とはどんなものでしょうか。
プライマリ・ケアの知識を肉付けする
- プライマリ・ケアの概念や実際について基礎知識を確認してみましょう。プライマリ・ケアを専門領域とした学会 日本プライマリ・ケア連合学会は、信頼できる情報元を1つです。
- そこでは、プライマリ・ケアをどのように解説しているか見てみましょう。
- 「あなたが考えたプライマリ・ケア」と一致するところはありましたか。
- あなたの考えにはなかった視点はありましたか。
- プライマリ・ケアとは(一般の方向け) -日本プライマリ・ケア連合学会 https://www.primary-care.or.jp/public/index.html
- プライマリ・ケアとは?(医療者向け)-日本プライマリ・ケア連合学会 https://www.primary-care.or.jp/paramedic/index.html
- よくある質問 -日本プライマリ・ケア連合学会 https://www.primary-care.or.jp/public/q_and_a.html
日本のプライマリ・ケアの課題や将来に目を向けてみる
- なぜ日本は、プライマリ・ケアがわかりにくい状況なのでしょうか。
- 諸外国はどうでしょうか。特にプライマリ・ケアが発展している国はどのようにしているでしょうか。
- 日本のプライマリ・ケアにはどのような課題がありますか。
繰り返しになりますが、アウトプットを心がけながら知識や他の視点を少しずつインプットして、プライマリ・ケアの理解を深めていきましょう。
*1:プライマリ・ケアとは(一般の方向け) -日本プライマリ・ケア連合学会https://www.primary-care.or.jp/public/index.html
*2:ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング(赤羽雄二, ダイヤモンド社)https://www.amazon.co.jp/447802099X