プラっと プライマリ・ケアが ちょっと詳しく、ぱっと身につく、きっとワクワク

プライマリ・ケアについて図解やイラストでやさしく発信していきたいと思います

プラっと #4. “共感上手”  はじめの一歩

共感上手、はじめの一歩

●プラっと 〜プライマリ・ケアがちょっと詳しく →ぱっと身につく →きっとワクワク 〜 

プライマリ・ケアについて 1テーマを紙1枚に超訳 してお届けします。

ケアに関わる人も、そうでない人にも気楽に学べてちょっと役立つ内容をお送りします。

「主旨を もう少し知りたい」、 「そもそもプライマリ・ケアって なに?」 という方は こちら記事からどうぞ

→ プライマリ・ケアの気楽な学び、はじめました。 

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“共感上手”  はじめの一歩*1

 

医療・介護の現場では、いろんな方のいろんな感情に向き合いますよね。

ツライ、悲しい、腹立たしい、嬉しい!、幸せ・・・。

そんな感情へのちょうど良い関わり方が「共感」です。

 

でも、そもそも共感って何?

どうしたら共感できているの? 上手な共感とは・・・?

 

「上手に共感できている」と自信をもって言える人は、そう多くはないのではないでしょうか。

 

“共感上手”  に近づくメリットは

  • 人の感情に関わる負担感が減ります
  • 相手と良い関係を築くことができます
  • 相手を癒すだけでなく、自分自身も癒されます

こちらを読んで、“共感上手”  はじめの一歩を踏み出してみませんか。

 

1分の動画にまとめました。読んで学びたい方はさらに下へお進みください。



 

感情へのちょうどいい関わり方が “共感”

共感とは、「他人の感情や考え、態度を知的に認識したり、その人の身になって経験すること」です。

簡単に言うと、「相手の気持ちを感じとる」ことです。

 

共感と似て非なるものが、同情です。

同情は、「相手と同じ気持ちになろう」とすること。

相手と同じ気持ちになることはとても親身な態度なのですが、相手と同じ経験・同じ感情をあたかも自分が経験したかのように感じられてしまいます。家族など親密な関係では、相手のことを「自分ごと」と感じることは決して悪くはないでしょう。しかし、ケアに関わる立場としては、負担感が大きく感じられてしまいます。

また、「かわいそうだ」「気の毒だ」と憐れむのは他人ごとのように感じられてしまったり、「相手の感情に関わらない」と感情に反応せず距離をとってしまうのはケアとして冷たい態度になってしまいます。

 

自他の区別を持ち、「相手はこんな風に感じ、考えているのだな」と感情や考えをくみ取る。

それが、ちょうどよく相手の気持ちに寄りそう 共感です。

 

相手に共感したら、そのことをしっかり伝えよう

“共感上手” の第一歩は、「共感を相手に伝えること」です。

あなたがしっかり相手の気持ちを感じ取ったとしても、それが相手に伝わっていなければ「共感していない」ことと同じになってしまいます。

もちろん、あなたが親身に話を受け止める姿勢や表情など、言葉以外でもあなたの共感する様子は相手に伝わりますが、より積極的に伝えることで深い共感が生れます。

ここでは、共感の伝え方を3つ紹介します。

① 反映、② 正当化(ノーマライジング)、③ 支援・協力(サポート) です。

① 反映

相手から感じ取った気持ちを相手に伝えることです。

相手の表情や言葉から「きっとこんな気持ちなんだろうな」とこちらが受け止めたものを相手に伝えます。相手を理解していること、しようよしていることを伝えることができます。

それは、相手も自分の感情をしっかり受け止めることや、考えを言葉にすることの助けにもなります。

「自分が感じた相手の気持ちは間違っているかもしれない」と自分の共感に自信が持てない方もいるのではないでしょうか。それでも、まずこちらが理解したことを伝えて確認してみましょう。もしこちらの理解にズレがあれば、相手からより詳しく気持ちを聞くことで共感を深められるはずです。

 

② 正当化(ノーマライジング)

相手がそのような感情を持った理由に理解を示すことです。

とくに、ネガティブな気持ちは「こんな気持ち理解してもらえないかも」という不安や「こんなこと思っちゃいけないかも」という罪悪感がある場合があります。こちらが積極的に「そう感じるのも無理もないことです」「そう考えてことは自然なことです」と伝えることで不安や罪悪感を和らげることができます。

 

③ 支援・協力(サポート) 

「相手の支えになりたい」というこちらの意思を伝えることです。状況に応じて、具体的にこちらが協力できることを話し合っていきます。

相手の孤独感が和らぎ、互いに前向きな気持ちを持つことができます。

 

共感は歩み寄り

このようにして、上手に共感をしてゆくことで、互いの理解が深まり歩み寄ってゆくことができます。

そのようにしてできた良い関係性は、それ自体が癒しになります。

それは「相手にとって」だけでなく、

ケアをする側にとっても積極性ややりがいが感じられ「癒し」になるはずです。



まとめ

共感上手、はじめの一歩



感情に関わること、共感することは奥深く、決して簡単なことではありませんが、だからこそ地道にすこしずつ上手になっていきたいものです。

“共感上手” のはじめの一歩として、「共感を相手に伝えて話し合っていくこと」を心がけてみませんか。

一歩一歩、“共感上手” を目指しましょう。

 

では、またプラっとお立ち寄り下さい。



*1:この内容は、ハンドブックの p.75~80「医療面接、医療コミュニケーション」を参考にしています。